皆さんは「PDCA」と聞いて、どんな印象を持ちますか?「難しそう」「面倒くさい」とか「今さら・・・」などネガティブな印象を持っている方が多いと思います。逆に「無くてはならないモノです」「いつも回っています」などポジティブな印象を持っている方もいるとは思いますが、圧倒的に少数派だと思います。
私も得意ではありませんが、大学卒業後ずっと製造業で技術開発の仕事に携わって来たため、比較的PDCAにお世話になってきた方だと思います。
社会人になった1980年後半の頃はまだPDCAを知っている人も製造業に限られていました。2000年前半にPDCA本が出版されるようになって、広く一般化されたと思います。20年たった今でも新刊が出版されて進化を続けています。
そんな誰もが名前くらいは知っているPDCAですが、やっぱり日々PDCAが回るということは、ほとんどの人が出来ていないようです。そんなこともあり、PDCAについて書いてみようと思います。
皆さんはPDCAに取り組む時、何から始めますか?
「目標を決める」「計画の構想を思い描く」「理想と現実のGap測定から」・・・皆さん、それぞれのやり方で始められると思います。
今日は「Whyから始めるPDCA」ということについて提案したいと思います。
PDCAを回す前に、ぜひ文章に落とし込んでやっておきたいことがあるんですよ。それは「なぜやるのか?」という質問に答えてみることです。
改善活動や目標達成に向けた活動にはスランプは付きものです。一緒に働く周りのメンバーからの協力は欠かせません。そういった時「そもそも」を考えてみる、「原点に立ち返る」ことでスランプから脱出するキッカケを掴めます。周りからの協力が得られます。
PDCAを回す前に「なぜPDCAを回すのか?」、Whyを考えて、文章化して共有化してみて下さい!
多くの場合、業務上の目標や課題があって、達成に向けて「何をやるか?」であったり、「どうやるのか?」から考えるのに慣れていると思います。それらの考えをPlan(計画)として落とし込むことが多いと思います。
会社、組織で仕事をしている場合、目標や課題は経営計画に連動し、多くは上司から降りてきます。この時によくある事例ですが、指示される担当者は「何で、こんな事、やらなきゃいけないんだ!」だったり、「また面倒な仕事が降って来ちゃったよ!」という気持ちが沸いた経験があると思います。Why不在の状況になっています。
上司も仕事の意味付けを担当者に説明して理解を求める作業を省略していることが原因です。上司は、「これくらい分かっているだろう」と考えていたりします。または上手く言語化して説明できない場合も散見されます。この場合は上司の上司、そのまた上の会議体で曖昧な議論で終わっている事が原因だったりします。
こういったケースでは、PDCAのどこかの段階で、困難な状況が発生した時に、前に進めなくなり、いつのまにか自然消滅してしまうことを少なからず経験しました。
では、なぜ「Whyから始める」ことが大事なんでしょうか? いろいろあると思いますが、3つ考えて見ました。
1つ目は、「忘れる」ことを防止するためです。PDCAが回らない原因に「人は忘れる」ということが挙げられます。PDCAの目標(Goal)も目的(Why)も、時間が経つうちに忘れてしまうのです。人って、そんなもんだからです。
2つ目は、自明のこととして、Whyを考えずに始めるかも知れませんが、あえて言葉にする、文章にする事で、しっくり感が分かります。頭の中だけで考えを巡らしたときには、違和感が無かったけど、言葉にしてみると、何となく「しっくり」こない。これは本心では無いことが多いからです。潜在意識が抵抗しているとも言われます。
3つ目は、Whyを考え、深めるなかで「しっくり」感があれば、Goal達成後にどんな良いこと、楽しさだったりをイメージに落とし込むことが出来るようになります。目標達成後のうれしさがあれば、困難も乗り越えやすくなります。
以上が「Whyから始めるPDCA」のメリットで、チームでPDCAを回す時には、言語化して共有することが重要になってきます。 PDCAを回し、ゴール(目標)達成する目的は? なぜ、それをするのでしょうか?
人は「Why?=なぜ?」に共感すると言われます。 人から共感される「Why」とは何か?という新たな疑問も出てくると思います。 カギは他人軸(他者から見て、どう見えているか?)と貢献軸です。
その「Why?に対する答え」を、もし自分が聞いた時に共感できるだろうか? そこを考えてみて下さい。 はたして、それは他者に響くのか?・・・
けっこう面倒な「Whyから始めるPDCA」ですが、ここを考えて用意して置くことで、上司や一緒に働く仲間から信頼されるようになります。また協力が得やすくなります。
PDCAを回して活動を進めるときに、壁に突き当たることがあっても、そんな時の心の拠りどころになってくれます。折れずに頑張ることが出来ます。
上司から仕事の依頼があった時、仲間から仕事の依頼を受けた時、プライベートな夢の実現を考えた時、そんな時は3分でいいです。「なぜそれをやるのか?」と考えて下さい。思い浮かんだことを、忘れないようにメモに残し、また違う場所、違う時に継続して考えて下さい。 1回考えてダメだからやめることが多いと思いますが、誰でも最初から上手く行く人はいません。何度も何度も考えてみて下さい。 きっと、ひらめく時がやってきます。
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